糖尿病 足 予防
2015年12月7日更新
床ずれ,壊死,潰瘍

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    独立行政法人地域医療機能推進機構 仙台病院
    〒981-8501
    宮城県仙台市青葉区堤町3-16-1
    電話 022-275-3111

    JCHO仙台病院は、病床数418床の中規模の病院ですが、仙台市北部の基幹病院として地域の人々に満足してもらえる
    「良質で安全なそして思いやりのある」最新の医療を提供できるよう努めてきました。
    当院は2014年4月に仙台社会保険病院から、独立行政法人 地域医療機能推進機構の一員としてJCHO仙台病院と院名を改めました。
    日本の人口透析開始時期から、腎臓疾患の専門病院として、”慢性腎不全にいたらぬよう初期治療(糸球体腎炎の根治治療)を行うと共に、
    血液透析、腎移植までの一貫した医療”を行っています。
    当院では、以前より血管外科の治療の一環として、足壊疽の治療を行っていましたがなかなか治癒に至らず、
    1人でも多くの足を救いたいという強い思いから、創傷ケアセンターを2007年9月に開設いたしました。
    創傷とは傷のことですが、数ヶ月以上も治らない創傷を「慢性創傷」と呼んでいます。
    慢性創傷には、床ずれによるもの、糖尿病による潰瘍、血流障害による潰瘍などがあり、
    これまではどれもが治療が難しいとされ、「仕方がない…」とあきらめる方も多くいらっしゃいました。
    でも、専門医を中心とした医療チームによって適切な処置を施せば、決して治療不可能ではなくなったのです。
    当病院の『創傷ケアセンター』が、最新の医療技術とチームワークで治療に当らせていただきます。
    足の治療の先進国アメリカの「ミレニア・ウンド・マネジメント社」との提携により最新の医療を実現しました。
    アメリカの医療コンサルティング会社であるミレニア・ウンド・マネジメント社は創傷治療の専門的なプログラムを確立しており、
    アメリカで大きな実績をあげています。当センターの医師や看護師はミレニア社の専門的なトレーニングを受け、
    その確立されたプログラムに基づいて治療を行います。



    アンギオソムとは、Dr. Ian Taylorというオーストラリアのメルボルン医科大学の形成外科の教授が発見、初期の研究をした元々は形成外科の世界からのコンセプトです。
    (Taylor et al. Plastic & Reconstructive Surgery: Volume 102(3) September 1998 pp 599-616)
    アンギオソム Angiosome
    皮膚下の神経にはどの神経がどの部分の皮膚を給与しているかという皮膚分節 ダーマトームという有名なコンセプトがある。 それと同様に、新鮮な死体サンプルの動脈血管に色素を注入することによって、皮膚表面に加えて、どの体内組織がどの源血管(Source arteries)によって補給されているのか、という3Dの血流地図である。形成外科では皮弁を頻繁に行うため、このアンギオソムの地図を把握し活用することによって、皮弁の成功率を高めることになる。
    下肢救済においても、足部及び足首の血管構造を知り、機能を理解することは重要である。
    Dr. Taylorによる画期的な解剖学ではアンギオソムの原理が定義されており、それによると人体は個々のアンギオソムに分割され、そのそれぞれのブロックにはソースとなる動脈が供給されている。
    アンギオソムの境界線と、そのソースとなる動脈の中の血管のつながりを知ることにより、創傷治癒に必要な血流を確保した切開等オペのデザイン作りが可能となる。また、有茎皮弁の成功する採取場所や、切断が治癒するかを予想する助けにもなる。更に虚血性潰瘍の治癒においてバイパスか血管内治療かの選択をするガイドにもなる。
    アンギオソムの臨床適応:
    (1)皮弁などの皮膚切開部のプラン作り
    (2)SPPレーザードップラーのセンサー設置位置ガイド
    (3)PTAやバイパスなど、血行再建時のガイド
    Dr. Taylorのアンギオソムの研究は、米国の首都、ワシントンDCのGeorgetown大学の形成外科医師、Dr. Chris Attingerによって更に発展した。米国形成外科学会誌Plastic Reconstructive Surgery の2006年6月号に、彼のアンギオソムの研究のまとめが掲載された。詳細は以下を参考にされたい。(Attinger et al. PRS. 117. 261S. 2006)
    Dr. Attingerは、Georgetown大学で、15年前から下肢救済センターという、現在の創傷ケアセンターのさきがけとなったセンターを開設した。
    今回紹介する写真は、Dr. Attingerから日本の医療関係者の教育のために、と特別にいただいたもので、この機会に感謝の念を述べさせていただきたい。
    (Footcare Now/ Millennia Wound Management, Inc. would like to thank Dr.Chris Attinger of Georgetown University for the use of his angiosome pictures for educational purposes in Japan.)
    人体には40近くのアンギオソムがあるが、足と足首周辺には、3つの動脈(前脛骨動脈、後脛骨動脈、腓骨動脈)から主に6種類のアンギオソムが存在する。これをそれぞれ紹介する。

     

    アルコールブロックの必要性
    虚血性潰瘍のため保存治療に移行したが、痛みはづづいており、それを和らげてあげたい、と思う場面に出くわすことがあると思います。こういった場面では、アルコールを使い末梢神経を麻痺させることができます。
    Abeloff: アベロフによる臨床腫瘍学 第4版
    Stuart A. Grossman, Suzanne Nesbit
    キーポイントまとめ
    局所鎮痛
    局所鎮痛は、長時間作用する局所麻酔によって3時間から12時間に鎮痛状態にすることであるが、神経剥離剤(アルコール)は数週間から数ヶ月にわたり鎮痛状態を保つことができる。
    通常は神経剥離の前に局所麻酔による診断的神経ブロックが施行される。これにより麻酔科医が局所の治療に対する反応を判断し、疼痛の代わりに起こる「麻痺」が耐えられる範囲であるかを考慮する。この局所麻酔で疼痛を一時的に抑えることが出来たら、アルコールをクモ膜下又は硬膜外に注射し、背部の細根にある侵害受容線維を破壊する。
    これが外科的神経根切断を模擬した治療となるのである。これら神経剥離剤の注射は一般的に「恒久的神経ブロック」と呼ばれているが、通常の鎮痛期間は数ヶ月である。
    ブロックの種類 例 適応 注意
    局所神経ブロック
    診断的
    肋間神経ブロック
    疼痛の病因、局所治療後の副作用を見つけ出す。
    鎮痛状態は数時間しか持たない。
    交感神経依存性痛の治療
    星状神経節ブロック
    交感神経依存性痛
    繰り返してブロックする必要の可能性あり。
    トリガーポイント注射
    トリガーポイント注射
    筋筋膜性疼痛症候群(MPS)
    繰り返してブロックする必要の可能性あり。
    神経剥離ブロック
    (アルコール又はフェノール)
    末梢
    肋間神経ブロック
    胸壁腫瘍
    鎮痛状態は通常数カ月続く。
    内蔵
    腹腔神経叢ブロック
    すい臓がん
    鎮痛状態は通常数カ月続く。
    硬膜外及び脊椎麻酔
    硬膜外ブロック
    2~4の皮節に限局した疼痛
    鎮痛状態は通常数ヶ月続く。
    From Grossman SA, Staats PS: The current management of pain in patients with cancer: Oncology 1994; 8:93.

    クイズ・創傷ケアと治癒
    創傷に関して復習してみましょう。
    問1. 次のうち間違っているものはどれか。
    A. 打撲とは皮膚が破れていないあざである
    B. 掻爬とは皮膚の表面を取り去ることである
    C. 剥離とは部分的または全体的に組織を切り離すことである
    D. 裂傷とは挫滅外傷で皮膚が損傷をうけていないことである
    問2. 創傷治癒の増殖期にもっとも多いコラーゲンの種類はどれか。
    A. タイプI
    B. タイプII
    C. タイプIII
    D. タイプIV
    問3. 切断に関して間違っているのは次のどれか。
    A. 再縫合は外傷から6時間以内に行われるべきである
    B. 切断部位は氷の入った生食で保存するべきである
    C. 切断部位は生食に浸したガーゼで覆って保存するべきである
    D. 切断部位は清潔な袋にいれ、その袋は氷に浸すべきである
    問4. 創傷治癒を妨害する要素でないのは次のうちどれか。
    A. 免疫低下
    B. 喫煙
    C. 高血圧
    D. ビタミンA
    E. 血腫
    問5. 患者の慢性創傷は下肢の内果にある。挙上をすると少し痛みがやわらぐ。このタイプの創傷はどれか。
    A. 褥瘡
    B. 動脈性潰瘍
    C. 糖尿病性潰瘍
    D. 静脈性潰瘍


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